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2024年大河ドラマ「光る君へ」|平安時代はお風呂に入る日も占い頼みだった!

2024年大河ドラマ

約1000年前の平安時代。現在では驚いてしまうような風習がありました。今回は第一弾として、お風呂事情、香り事情、占い事情についてご紹介します。

お風呂事情

現在と違って、平安時代の人たちはお風呂に入ることはあまりありませんでした。また、お風呂と言っても、今のように湯につかるようなものではなく、薄い着物を着て湯をかけたり、蒸し風呂で汗をながし、垢をぬぐったりするものであったようです。お風呂に入る日は陰陽師の占いで決められており、1週間に1回程度でした。

女性は?

長くて黒い髪は、平安時代の女性の美しさの象徴であり、身長より長く、まっすぐな黒髪が理想とされていました。清少納言は赤みのあるくせ毛だったため、かつらをつけていたそうです。

髪のお手入れは、くしで髪をとかし、棒状の髪飾りのこうがいで整えるのが一般的であったと言われ、髪をとかすときに髪油をつけることもありました。寝るときは、髪を結んだままにしたり、後ろに投げ出したりして寝ていたよう。髪を洗って乾かすのは1日がかり。髪を洗っていい日は占いで決められ、月に1回程度であったとされています。米のとぎ汁や灰を水に浸した上澄み液で髪を洗っていました。

香り事情

何日もお風呂に入らない平安時代の人たちにとって、香りは身だしなみのひとつであり、貴族たちは、お香をたいて、部屋や衣服、頭髪に香りをしみこませて楽しんでいました。貴族たちにとって、香りをかぎ分け、自分で香の材料を調合して香をつくることが教養とされていました

部屋などの空間に香りを漂わせるものを空薫物、衣服にしみこませるものを薫衣香といいます。

お香はウコン、白檀、沈香、麝香、丁子などを粉末状にして、はちみつなどのつなぎの材料と混ぜ合わせて小さく丸く固めて作っていたといいます。

源氏物語の32帖「梅枝」でも、明石の姫君が東宮へ入内する前に、光源氏が紫の上、朝顔の姫君、花散里、明石の御方に調合をしてもらい、それぞれの香の優劣を判定する「薫物合」をしたことが描かれています。また、表向き光源氏と女三宮の息子・薫は、何もつけていなくても体からよい香りがして、お忍びで女性のところへ行こうとしてもバレるほどであったと言われています。

室町時代には、何種かのたきものをかぎ分けて充てる「組香」という遊びが、江戸時代には、5種の香をたき、どれが同じでどれが違うかをかぎ分ける「源氏香」という遊びができた、源氏香は現在でも行われている。

物忌

「悪夢を見た」「不吉なことに出会った」「暦で凶日にあたる」といった理由で、家に引きこもるなどして災いを避けました。藤原実資の日記「小右記」などにも「物忌」の文字が記されています。

方違

方違とは、暦や占いによって不吉とされた方角に行くのを避ける方法。不吉な方角に行かなければいけない時には、前日に別の人の家に泊まるなどの方法をとりました。たとえば、凶とされる西の方角に行かなければならない時には、いったん南にある知人宅などに泊まり、翌日その知人宅から北にある目的地に移動する、というもの。

面倒ですが、これをきっかけに普段は訪れないような場所や家に行く機会が増え、それが新しい発見や出会いにつながることもあったといいます。源氏物語の中で、光源氏が「空蝉」と出会ったのも、方違で他人の家に泊まった際の出来事でした。

<空蝉>(うつせみ)
光源氏の求愛を拒んだ女性。光源氏の正妻「葵の上」の兄であり、友人でもある頭の中将らとの雨夜の品定めの末、中流階級の女性がよいとのうわさを聞き、その後、「方違」で訪れた邸宅で伊予介の妻、空蝉と出会い関係を持つ。空蝉は夫のある身であり、光源氏とは身分が違うことから、以後光源氏からの求愛を断り、蝉の抜け殻のように薄衣を残して去ってしまった。のちに光源氏と再会し、出家後、光源氏に引きとられた。

現代人からすると、面倒くさい迷信に思いますが、病気も災害も日付や方角の吉兆や怨霊が原因とされていた平安時代には、重要視された習慣でした。

陰陽道

陰陽道とは、中国で発達した思想で、陰と陽、五行(木・火・水・金・土)の作用、めぐりあわせにより吉凶などを判断する術のこと。これを専門に扱う陰陽寮という役所があり、その専門家を陰陽師といいました。行事などを行うにあたり、日付、方角などの吉凶を占ったり、病気治癒や雨乞いなどの呪術をおこなったり、吉凶を書き込んだ具中暦という暦を発行したりといったことをおこないました。

有名な陰陽師に安倍晴明がおり、一条天皇の病気を治癒させた、雨乞いの術を披露し実際に雨を降らせたなどの実績が伝わっています。今昔物語集などでは、術を使って式神という鬼人を操ったり、蛙を殺したり、ライバルと術比べをしたりと、かなり超人的に描かれていますが、実際の占いや呪術の腕前も確かであったようです。

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