大河ドラマ「光る君へ」に登場する、紫式部（まひろ）の家族をご紹介。
父：藤原 為時
紫式部の父・為時は、藤原北家の傍流とはいえ、政治家としてはパッとせず、中流階級であった。
※藤原北家…藤原氏の中でも最も栄えた藤原一族の総称
しかし、文人としてはなかなかの腕前で、著名な漢詩集に多くの作品を残した。漢詩が専門であり、花山天皇に漢籍を教えていたが、和歌にも秀でており「勅撰和歌集」に４首の和歌が入集している。
花山法王が２年足らずで退位すると、その後はほぼ無職のような状態であった。しかし、自らの不遇を嘆いた漢詩を詠んだところ、一条天皇や道長の目に留まり、大国・越前守に任命される。この話は有名で、「今昔物語集」にものっている。24歳だった紫式部も父について越前に下向し、２年ほど過ごしたのであった。
大河ドラマ「光る君へ」では、紫式部（まひろ）の父・為時役を岸谷五朗さんが演じる。
母：藤原為信の女
紫式部の母も、為時と同様に藤原北家の傍流の出身である。実名も伝わらず、便宜的に貴族であり著名な歌人でもあった父親の名前から「藤原為信の女」と呼ばれた。祖父の文範は権中納言にまで出世しており、為時と同様に文章生であった。
※文章生・・・大学寮で紀伝道を専攻した学生
為時と結婚したのちは、紫式部の姉、紫式部（まひろ）、弟の惟規（のぶのり）の３人を出産しているが、紫式部は「紫式部日記」の中でも「紫式部集」の中でも、母親に関して一言も語っていない。幼いころの思い出や姉のことは書かれているのにである。そのため、紫式部が幼いころに離別もしくは死別した可能性が高いと考えられている。詳細については謎が多く、わからないことが多いという。
大河ドラマ「光る君へ」では、紫式部（まひろ）の母・藤原為信の女（作中では、ちやは）役を国仲涼子さんが演じる。
弟：藤原 惟規
父・為時から漢籍を習っていたもののなかなか覚えられず、紫式部のほうが先に覚えてしまったため、父を嘆かせたという逸話が有名である。そのため、学問が苦手という印象があるが、実際には「後拾遺和歌集」（優れた和歌を天皇が選んでまとめた勅撰和歌集のひとつ）に10首入集し、短編ながら「藤原惟規宗」という歌集も残している。
ただし、大事な儀式のときに酔っぱらってしまったり、儀礼を失念してしまったり、そこそこ失敗もしており、出世も早くはなかったようだ。
のちには越後守となった老父・為時に付き添って越後国へ下向し、直後に亡くなっている。
大河ドラマ「光る君へ」では、紫式部（まひろ）の弟・藤原 惟規役を高杉真宙さんが演じる。
このメンバー、素敵な家族過ぎて楽しみです！
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